特徴
非常にまれな睡眠障害です。10歳代で発症するケースが多く、女性よりも男性の有病率が約4倍高いとされます。3日から5週間程度(平均は10日間)の傾眠状態(強い眠気をもよおす状態:過眠病相)が続き、昼夜を問わず、毎日16~20時間も眠り続けるのが特徴的です。このような過眠病相(過眠エピソード)が通常1年に1回以上(平均3ヵ月に1回)起きることから周期性傾眠症とも呼ばれています。
症状
過眠病相期には、大きな声で揺り起こすなど強い刺激を与えると、いったん目は覚ますものの、ぼんやりとして口数は少なく、集中力や注意力も散漫となり、新しいことへの関心や興味が薄れて、放置すると眠り込んでしまいます。病相期には現実感がなくなったと報告することが多く、無茶食いあるいは食事をとらないといった食行動異常、性欲亢進、子供じみた無遠慮な行動(脱抑制行動)をとる場合が多いのですが、食事や排せつは自力でできます。最大の特徴は、過眠病相がなくなった間欠期には、病相期にみられた認知・行動障害が完全に消失して正常となることです。
治療法と対策
この病気は原因が全く不明で治療法が確立されていません。いったん過眠の病相期が始まると治療が困難となります。そこで過眠病相が生じないよう予防するための薬物療法(感情調整薬が中心です)が有効な場合があります。また感染や睡眠不足が契機となる場合があるため、規則正しい生活を行うことが予防に役立ちます。(特に若年男性では)経過とともに自然寛解することが多く、寛解まで平均14年とされています。
- 反復性過眠症のメモ
- 毎日眠くて16~20時間も眠ってしまう状態が3日~5週間程度続く
- この状態を1年に数回繰り返す
- 過眠病相期には認知機能障害、食行動異常、脱抑制行動などを伴う
- 過眠病相期以外は正常になる
- 詳しいメカニズムは不明
- 思いあたる症状がある場合は専門の医療機関を受診してください。